思い出のない夏休み

2020年8月の日々を振り返って

ふと頭に浮かんだ言葉は

 

自分でも信じられないくらいに

 

絶対の事実と

その背後にある喪失感とを

 

嘆息するほど正確無比に表していた.

 

 

 

"思い出のない夏休み"

 

 

8月の日記を1枚々々捲っているときに

否応なく突きつけられたのは

どれも似たり寄ったりの日々であるという事実

 

 

見開きに写る2日分の日記は

まるで一卵性双生児のように

瓜二つの様相を呈していた.

 

 

楽しかったことは何だろう

苦しかったことは何だろう

悲しかったことは何だろう

幸福だったことは何だろう

 

 

"夏休み"という言葉の響きから連想される日常とは

遠くかけ離れた世界に住んでいたように思える.

 

 

今が本当に8月31日だなんて

まるで信じられなかったけれど

数えてみれば

31枚の日記は確かに存在していた.

 

 

感情の揺れ動きが少なく

顔面を動かすことすらあまり無く

大きな夢を持つことも

小さな欲を追いかけることも無く

 

得れたものは何だろう.

 

 

 

ずっと継続してきた身体の鍛錬は

今なお続いていて

生活習慣もずっと順調だ

 

 

それだけでは満足できないのは

精神の弱さか

或いは本性の為だろうか.

 

 

日々同じものを食べ

仕事をしたり論文を読んだりして

ジムとスーパーに行く他には

どこにも目指す場所はなく

 

気がつけばまた1日が終わる.

 

 

 

思い出のない夏休みを過ごして

 

残り半分もきっとこのまま

思い出のないまま終わっていくことが

僕にはなんとなくわかっている

 

それでいて

思い出を欲望する気力も勇気も無い.

 

 

 

残りの夏休みを過ごすために

やりたいことをリスト化してみた.

 

書き出すことに驚く程苦労したけれど

少なくとも両手に収まらないくらいには

大小問わず

やりたいと一度は思えたことを蓄えられた.

 

 

今はひとつ

このリストに忠実に過ごしてみよう

 

何か得られるものがあると信じて.

 

 

思い出のない夏休み

 

失っていくばかりの日常

 

 

9月は

過去に思い浮かべた欲望を辿る事に過ごそうと思う.

 

 

人生に対する欲望を取り戻す為

 

空隙を開くきっかけを掴めることを願う.

 

 

 

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