思い返せば余り休むこともなく
何かに掛かり切りっていた数日だった
やらなければならないことではなく
何となく楽しめることを見つけられたこと
自分の身を追い詰めてはいるものの
それが止める理由にはならないこと
いつまで続くのかはわからないけれど
楽しめる限り続けられるだろう.
モチベーション・マネジメント.
最近自分の身ながらに実感していることがある
僕はこれまで自分への動機付けということが
どうしようもないくらいに下手だった
人生に何を見つめれば良いのか分からなくなって
取り敢えずネパールに行ってみたのは2年前
思えばあれは最も突破な行動のひとつだったように思えるが
大学生活に入ってからの自分の傾向を象徴しているようでもある
1番になりたいと願うばかりで
1番を見ることしかしない
そんな態度が蔓延っていた
大学に入り広がった世界の中で
道標を見失ってしまったからだろうか
毎日向かう小テストや毎週末やってくるサッカーの試合
3ヶ月に1度やってくるテスト週間に
学校行事に模試に三者面談に大学入試
意識せずとも必ずやってくるものがあったから
そこに向けて生活が組み立てられるのは自然な成り行きだった
全てがそればかりのためではないとは思うのだけど
大学生として暮らし始めた自分には
こうした1の次に2を探す目線の定め方が
どこかに欠落してしまっていたようである.
1を知り10を知ったかのような心持ちになり
次は20を見つけなければ満足できないように思えてしまう
苦しみ努力することでしか得られないものの存在を
当然の如く信じていたにも関わらず.
夢を持つことや理想を描くこと
大きな枠組みで考えること
それらは依然大切なことであると心より思う
語るにはそれだけの力が必要であることを
ただ理解できていなかっただけなのだ
大学に入り
血気盛ん
野心に満ち溢れた仲間たちを得て
知らぬ間に鍛えられ伸びたものは大きかった
だからこそ
いざひとり
何を探すべきなのかが分からなくなっていた.
遠すぎる目標は歩みを晦ませる
2から9を拾い忘れた人は
10に立ち
足元を支えるものが今にも崩れ落ちそうなことに気がつく
この数ヶ月暗示のように刻み付けてきたことは
「焦らず驕らずひとつひとつ積み重ねる」
という行動指針
今になりほんの少しずつかもしれないけれど
前に進み始められているように思う.
不思議なことにそれを最も思い出させてくれたのは
大学に入り敬遠しがちになっていた
トレーニングの日々だった
自分の精神を鍛え直すにはまず体からと
少し前からジムに通い始めていたけれど
世界中の人々が家の中で過ごすようになってからは
それ以外に特にする事も思いつかないという事情に後を押され
1人でも定期的に高強度のトレーニングを継続できるようになった
それは今でも続いていて
高校の頃のトップフォームに近づいているばかりではなく
当時持ち合わせていなかった確かな身体的強度も勝ち得始めているような実感がある.
トレーニングを始めると
自分の限界に挑んでみたくなる
だから気分転換に始めたジョギングは
今やタイムに挑む地獄のランニングトレーニングに変化している.
そして先日
ランニング時のワンシーン
時間帯もあり
始めからタイムにチャレンジしようなどとは思っていなかった
それでも数キロ走ってみて
自分がタイムを更新できる位置にいることを知った
それでも
始めから高強度に追い込むつもりはなかったし
恐らく記録達成など難しいという思いもあったから
取り敢えず次の500メートル維持できるかやってみようと考えた
そうしたら意外にも達成できてしまったから
もう500メートル続けてみようと思った
その繰り返しを経てみて気がつけば
目標記録を達成していた.
その瞬間
気が付いたのが
モチベーション・マネジメントのミソ
今まで頭では理解していても
実感がなく身に乏しかった空論を
自分のものにした瞬間だった.
大切なのはいつも次の一歩
大きな一歩じゃなくてもいい
本の悪戯心程度の歩幅でいい
大切なのは
それが2であると言えるかどうかだ
今目の前にある一歩を確かに踏み出す事
例えそれが自分の描く最も美しい光景とどのように繋がっているのか
いまいち確信が持てないとしても.
トレーニングを始めてから
高校時代の記憶がふと
フラッシュバックすることがとても多くなった
これまでそれは
体を鍛えるという行為に真摯に取り組むことが
高校時代以来だからだと思っていた
勿論それもひとつの要因ではあるのだろう
しかし思えば
自分の心の持ち用が
高校時代に近づいているのではないか
心が当時のスタイルに戻りゆくなかで
記憶もまた引きつけられ
浮かび上がるものなのかもしれない.
「焦らず驕らずひとつひとつ積み重ねる事」
今できることは
この言葉を信じて前に進むこと
小さな一歩を着実に
ひとつひとつ踏み締めること
1の次に2を拾う
それだけが確かに信じられることなのだ.