つらつらと考え事をしているうちに
ふと思い当たった考え.
努力は裏切らないと言うけれど
それは努力に裏切られなかった人の綺麗事でしか無い
実る努力は確かに存在する一方で
人の歴史には実らなかった無数の努力が横たわっているに違いない.
努力して辿り着けなかった者に対して
努力が足りなかったのだとか
正しい努力をしていなかったのだとか
正論を突きつけるのは簡単だけれど
実らなかった努力は
実るはずだった努力とイコールでは無い.
高校生の時
サッカー部に所属していた僕は
日々落ちていく体力を
努力することで解決しようとして
その実更に体を蝕んでいるだけだった
2年間の闘いの果て
自転車で1時間かかる通学の前に
眠い目を擦りながら必死に走り込んだり
冷風呂と温風呂をわざわざ用意して
体の回復を図ったり
走れない体力がない意気地が無い
周囲からの無言のレッテルを感じながらも
サッカーを続けることをやめなかったり
そこで僕が行った努力は
全くの無駄な足掻きでしかなかった.
しかし
薄暗い病院のベッドの上で
それらの努力の全てが無駄だったと突きつけられた時
湧き上がる恐怖心と同じくして
すっと心が晴れた気がしたものだった.
それはどうしたって叶いようがなかった努力で
叶いようがないことを知れたことが救いになった数少ない努力でもある.
夢を持ち努力して
それを掴み取ることが美談とされるけれど
この世には
叶わない努力が事実存在することを
僕は一片の疑いもなく信じている.
それでも
何かを叶えるにはそれに見合う努力をしなければならなくて
それが叶わない努力である場合には
その事実を知れる機会は驚くほど少ない
さすれば僕たちは
無謀であることを知りながらも
目的に向けて努めることを続けていくしかないのである.
夢破れることも屢々
夢破れた瞬間に
晴れやかな気持ちになれたらば
話のネタくらいにはできるだろう.
