僕が少年時代を過ごしたサッカーチームの大会に行ってきた。
とても大きな舞台で戦っていた。
僕の所属していたおよそ10年前は、
できたばかりの弱小で、
聞いたこともないようなチームに毎度毎度ボロボロにされていた記憶がある。
そんなチームが、
今や大きな晴れ舞台の中で戦っている姿を観て、
どことなく郷愁を覚えた。
チームで過ごしたあの頃の懐かしさだけではなく
故郷そのものに思いを巡らせた。
実家を離れ1人で暮らしている現在の暮らしの中で、
都会の価値観に触れ、選択肢の多様さに出会い、
動かせるものの大きさを知り、
"あんな田舎に戻ることなんてないだろう"
そう思っていた。
しかしやはり、何処まで行ってもそこは僕の家なのだ。
その事実は変わらないのだ。
ボールを追いかける少年たちの姿を眺めながら、
真剣に、自分が故郷に貢献できるとしたら、
果たしてどのような形だろうと考えた。
今まで考えたこともなかったのだけれど。
それはきっと愛着であり、恩義であり、一部であるということなのだ。
育った事実
出会ってきた人々と作ってきた過去
そして自分が辿った道を、力強く走り抜けようとする少年たち
何にも属さず
1人生きる感覚
即ち、この数年で培ってきた孤独
それはあっという間に拭い去られたりもする。
僕は何処まで行こうと、この故郷に属しているのだ。