ひとつ

もしかすると、僕らはとうに終わっているのかもしれない。

 

 

命を賭けるに値するものであるはずだったのに。

 

 

 

何事にも終わりがあること.

全てのものは失われる定めにあること.

 

 

 

何かしら、自分自身が愛おしさを抱く存在に出会う。

 

全てを賭けて向き合うことが前提になっていて

どれだけ辛かろうがどれだけ苦戦しようが

それを手放すなどという考えは一顧だにしない

 

没頭し、変革に挑む勇気を持つ

 

居ることは当然で

さあこれから如何にしようかと思案する。

 

 

誇りを持ち、生きる限りを賭けた。

 

それが全てだった。

 

 

 

果たして、区切りが見えてきて、

巣立つことを視野に入れる。

 

 

ころりころりと転がっては

可能性に出会い、吟味して、

迷い込むことが増えた。

 

 

 

気がつけば、ひとつの道に決まっていて

他方に離れ始める.

 

帰路に袂を分かつではなく

ゆっくりと、僕が僕を遊離していく.

 

 

はてさて。

 

僕らはとうに終わっているのかもしれない。

 

 

 

捉え方が変わった瞬間に.

 

再び出会ったとき、僕は幻影を蘇らせる事をやめ、

変わってしまった今のままを受け止めることに決めたのだ。

 

絶対がひとつになる。

 

 

 

振り返り、得ようとして、去って.

不満足、やり切れなさ、もどかしさ、

気恥ずかしさ、決まりの悪さ、悲しさ

 

全て愛おしさのなれ果てとでも言えようか.

 

 

 

絶対がひとつになって、

それは既に、終わりを囁いているのだろうか。

 

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