否定累々

なんだかこの頃、

目的を見失ったような感覚になることが多い。

 

 

目的というのは、驚くほどに諸所に溢れているものだと思う。

 

 

全く大きなものである必要はなく、

ただ何かを食べるということだとか、

何処かへ行くことだとか、

或いは寝ることだとか、

全て小さな目的の積み重ねの上にある。

 

 

目的が積み上がり、

人は何かしら行動を起こしていく。

 

 

 

しかし、何事にも目的を持っている感覚がない時。

 

 

そんな感覚に陥った時、なんだかとても困ってしまう。

 

 

何かをする、という言葉が浮かび上がってこず、

ただ否定ばかりが積み重なっていく。

 

 

あれをする気にはならない

これもしたくない

 

というような。

 

 

食べるのも面倒で

風呂に入るのもうざったく、

寝ることすら厄介に思う。

 

 

否定ばかりが累々と、眼前に立ちふさがる。

 

 

 

何をするでもなく、何をしないでもなく、

ひたすらの無為を過ごす。

 

 

 

 

家にいると、いつもいつも、そんな感覚に襲われる。

 

僕にとって、この家は、そんな無為の象徴と化してしまったのであろうか。

 

 

 

「しらばっくれても無駄だぞ」

 

そんな言葉をかけられることを望む。

 

 

まるで布団のコマーシャルに出てくるような、

充実した面持ちで、

誰が見るでもないこの無味無音の空間を、

過ごすことができたなら。