明確な目的意識

もう2024年になったと思っていたら、気がつくともう2月も半ば

高速道路の風景みたいに、意識とは無関係に時は通り過ぎていく。

 

新しい一年になり、それなりに抱負のようなものを並べてはみたものの、願うような1ヶ月と半分を過ごせてきたとは言えない

 

それどころか、世の中は厄に憑かれたようで、日本代表はアジア杯に敗れ、僕はコロナに罹って数年ぶりに長く体調を崩した

 

気がつけば2月も半ば

しかしながら今年は身の回りの環境が大きな く変化する見込みであり、いくつかの楽しみな予定も既に埋まり、新年に思い描いたように、前向きに暮らしていくことができる一年であるはず

 

変化の時を楽しめるように、季節外れではあるけれど、思うところを整理したい。

 

 

今年は春から新しい環境で新しい生活を始める

 

大学を出てから3年間、大阪の南に移り仕事をしてきたけれど、今が変化を選ぶべき時だと感じた

 

大学を出てからの3年間は、仕事が中心の生活になり、関わる人たちが限定され、最終的には人生の殆どの時間を自宅のワンルームで過ごしていた

 

コロナ後の社会情勢の後押しもあり、会社の方針があり、そして何より自分の性格的傾向があった

 

勉強することに時間を費やしてみたり、ジムで体を鍛えたり、或いは電車で一人旅をしてみたり

しかしその時を誤魔化すことができたとしても、生きる原動力を得ることにはつながらない

 

人生において価値があるのは、移動と人との出会いであるはずなのに、結局はむしろ自らの世界を自らの手で狭めてしまっていた。

 

コロナに罹り、家に篭りきりだったこの2週間ほどで感じたのは、ただただ暇であるということ

 

体調が優れずやれる事が限定されてみると、自分がどのように日々時間をやり過ごしているのか、全くわからなくなった

 

仕事をする、本を読む、勉強する、他に自分は何に時間を使っていたのだろう

 

時間の使い方を思いつけず、体を休めるために9時間以上も眠る日々だった。

 

 

この1週間、この1年間を見返してみて感じるのは、目的意識が欠如しているということ

 

ギラギラしたような成長意欲や、難題に取り組むためのチャレンジ精神のようなものを、日々に見出す事ができなくなっている

 

3年前は毎日新しい問題にぶつかっていたはずの職業生活は、良くも悪くも物事があまりに定型化してしまっている

 

思えば、この数年ジムに通い、体づくりや食事を気にかけてきたのは、このやり場のない目的意識を何かに見出したかったからなのかもしれない

 

仕事である必要はない

ただ明確な目的意識を向ける何か、1日を通して意識を向け続ける必要がある何かの存在が人生の拠り所になることを感じていたのだろう

 

しかし僕は、体づくりに2年以上も目的意識を向け続ける事ができなかった

それは定型化され、今ではただの習慣となった

 

それ自体は喜ばしいことなのだろうが、トレーニングはもはや人生の拠り所ではなく、自らの意思で目的と設定し直すことができないものになってしまった感覚がある。

 

 

 

今日1日を生きる上で必要なのは、明確な目的意識を持つこと

 

明確な目的意識なくして、未来の成長も今日の充足も得られない

 

それが今の僕に必要なもの

内発的なものでも外発的なものでも構わない

 

そして、そのためには環境を変える事が1番だ

移動して、新たな人々と出会うことを通じて、それが得られるはず

少なくとも、この移動が何かの触媒として作用するはずだから、自ら目的を掴みにいくこと。

 

 

最近、村上春樹の『騎士団長殺し』を再読している

妻から離婚を切り出された絵描きの主人公と、谷の向かい側に住む謎の実業家の免色さん

 

人生の転期に、あるいは生涯をかけて、人は自分の人生の意味を思い悩むことになる

 

その時に自らを支えてくれるのが、明確な目的意識の有無なのだと、この小説を読みながら、最近の自分のもの思いを反芻している

 

人生の中で、その時々で、我々は目の前の目的に従って生きていく

振り返れば無駄なように思えることもあれば、後から思い返してみて、それが必要なプロセスだったと気がつけるような時間もある

 

ただ、自分の人生の中で、最も大切な目的とは何なのか、それをどこかでどうにかして見出していきたい

 

それは苦痛を伴うかもしれない、周りの人には理解されないかもしれない

けれど、それこそが人生の意味であり、慰めであり、幸せなのだから、考え続けていかなくてはならない。

 

 

そしてそのために必要なものこそが、移動であり、人との出会いだ

 

それから、そうして得られた経験を内省し、表現することを通じて、自分の意識と世界を構築していくこと。

 

 

 

今年は変化の1年になるはず

そんな大風呂敷を広げながらも、着実に、生きるに値する時間を生きたと思えるように日々を過ごしたい

 

新しい環境に移動し、人々と出会い、目的意識のもとに生活をすること

そうして積み重ねた経験を内省し、表現することを通じて、自らの世界を構築すること

 

酷く抽象的な文章だけれど、

日々を実際的に生きながら、稚拙でも概念的な思考をまとめることの重要性は、5年前に痛感している

 

だからこうして文章にする時間を面倒臭がらず、大雑把でも思考の軌跡を残すこと、

これも新年の抱負のひとつだ。