雨上がりの

雨上がりの日曜日

 

昨日とは打って変わって過ごしやすい涼しさ

 

音楽を聴きながら散歩をしていて

劇場に行きたくて仕方がなくなった.

 

 

ミュージカル或いは芝居を

観劇することの魅力を知ったのは

大学で真面目に勉強を始めた頃のこと

 

ミュージカルを扱う授業だけは

どんな時間帯であっても履修して

研究の素地を磨いていた.

 

結局卒論もミュージカル作品について考察し

入学の頃には想像していなかったことだが

 

ミュージカルの面白さに

芯からどっぷりと浸かったまま

大学を後にすることになった.

 

 

 

劇場に足を運んで

ミュージカルを鑑賞すると

底しれぬ感動と響き渡る声が

文字通り心臓を震わせる

 

けれど一度劇場を後にしてしまえば

その感動を長く留めておくことなどできず

 

また訪れる機会を

虎視眈々と伺う日々がやってくる.

 

 

今更ながら

 

大学での4年間は

とても貴重な時間だったと思う

 

たくさんの人と出会い

色々な経験を積む中で

 

物事に内在している価値を

偏見やステレオタイプに邪魔されることなく

 

それらを以前と比較して

広く受け入れられるようになったと思うから.

 

 

ミュージカルへの感動は

まさしくその象徴だ.

 

演劇を見るなんて女々しいとか

カッコ悪いとか

そんなことを思っていて

 

高校の文化行事で連れられた観劇では

何故かずっと寝ていたことを自慢する風潮が広がっていた

 

なんと勿体無いことをしていたのだろう.

 

社会に蔓延る偏見や

集団に対する見栄

 

そうしたものを過度に気にして

周りにつっぱり行動するのは

それが若さというものなのかもしれない

 

そうした通過儀礼を通して

人は人との関わり方を知るのかもしれない

 

けれど同時にその人は

 

奥底の感性に訴えかける

鼓膜を揺らす感動の存在に

気がつくことができないのだ.

 

 

大学に入って

舞台芸術の素晴らしさに気が付き

自らの感性の広がりをふとしたときに実感する.

 

 

高校では

学べなかった心の使い方を

今はひとつだけでも手に入れたような気がする.

 

 

若く弱く

舐められてはいけなかったあの頃では

どうしたって

気がつくことなどできなかったであろうこと

 

それを学べたのだとしたら

知らせてくれた環境に

感謝しなければならないと思う.

 

 

自らの世界を限定することなく

感性を赴くままに受け入れる心をもって

芸術に気がつける人でありたいと願う.

 

 

 

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