起き上がらせてくれるもの

近頃なかなか布団から出られなくて

瞼も体も重苦しい

寝覚めの時間を過ごしていた

 

睡眠時間が足りていないのか

あるいは日頃の疲労を回復しきれていないのか

はたまた冬の寒さが故か

 

つらつらと原因を考えていたけれど

 

きっとそうした

周縁的な要因ではないのだろうと思い至った.

 

 

何日もの間

布団から起き上がることに

膨大な時間を費やしていたけれど

 

昨日の朝は不思議なくらいに

寝覚めの瞬間から目が冴えていて

苦労なく起き上がることができた.

 

 

その理由は明確そのもの

 

応援しているサッカークラブの試合が

朝の5時から始まるからだった.

 

ダービーマッチ

 

もちろんそのチームの試合は

欠かさず観戦しているけれど

 

中でも特別なカードのひとつだったから

見逃すことなどできるはずもない.

 

 

 

 

後から振り返ってみて

つまりはそういうことなのだと気がついた.

 

楽しみだから

起き上がりたくてたまらない.

 

 

瞼を開いたその瞬間から

始まる1日を楽しみにしているのであれば

 

きっと体は瞬く間に

温度を高め活動を始められる

 

その1日に起き上がりたいと思える要因が存在しているかどうかだ.

 

それはただただ根本的で単純な

快か不快かの二者択一

 

目を覚ましたその瞬間に

心を占めるのはどちらだろうか.

 

 

日々SNSを眺めていて

どうでもいいと思ってしまう

そんなスレッドが増えてきた.

 

過去の自分がフォローしたから

流れてきているはずの情報

 

もはや興味を見いだせない投稿を

視野に入れなければならないことに嫌気がさして

フォローリストを整理した.

 

外されていったそれらに対して

過去の自分が

本当に興味を持っていたのかどうか

もはや分からないけれど

とにかくひとつ確実なのは

 

それらをフォローしていた頃に持っていた

多様な物事への興味や

情報に触れることへの渇望

あるいはそもそも

人の発信物に対する関心

 

それらは今は変容していて

それにどうやらそれらは縮小しているようだということ.

 

 

特に危機感があるわけでも

不安になるわけでも

寧ろスッキリするわけでもない

 

ただ

自分が変化する存在であることに

気付かされた経験だった.

 

 

目を覚ましたその瞬間に

起き上がりたいと思える1日を過ごすため

 

それでも自分の興味の対象として

確かに残った僅かな物事に

囲い養い大切にしたい.

 

サッカーやミュージカル

それに小説

 

そういったものたちだ.

 

 

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