ここ数日

急な胃炎に苦しめられる日々だった.

 

 

体調を崩すのは久しぶりのことで

 

日々心地よく眠り

気の赴くままに腹を満たし

差し障りなく歩くことができるありがたみを

 

改めて痛感することとなった.

 

 

普通の生活から何かを失うことで

その普通の生活が

限りなく幸福なものに思える瞬間を

 

この1年は

何度も経験してきた.

 

 

しかしその度にその日々には終わりが訪れ

暫くすれば

そのありがたみも当然のものに変わってしまう

 

そうした瞬間を何度も経験する中で

知らず知らず変容している価値観や

恒常的に求めるようになった生活観は確かに存在しているけれど

 

失っている間に気がつく時のような

憧れとすら形容されるようないつもの生活への感動は

そう簡単には得られるものではない.

 

 

そして

感動を得た末に次々と湧き出る欲望も

いつもの生活に戻ってみれば

いつの間にか消えている.

 

普段はそんなことを思わない筈なのに

今回の胃炎期間には

 

チョコレートや和菓子

ドーナツにステーキや肉まん

 

こうしたものが食べたくて仕方がなかった.

 

 

炭水化物が食べられなくて

極度に渇望した糖分が

こうした行き過ぎた欲望を

生じたのではあるまいかと想像しているわけなのだが

 

兎にも角にも

普段なら抱くことのない欲望を得て

 

きっとそれは

大切に叶えてやるべき欲求だとすら思えてきたから

 

体調が万全に回復したら

食べたいと一度は思ったものを

好きなように食べてみようかと思う.

 

 

いつもの生活に憧れる日々を

一時の体験で終わらせるのではなく

気がついたありがたみを忘れないよう

肝に銘じていることにしよう.

 

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