移動のエネルギー

なんとなく

気持ちの乗り切らない1日

 

重たい心を運ぶには

この筋肉では足りないらしい.

 

 

賑やかな1日を経験したとき

 

次に訪れる普通の1日が

なんとも進め難いもののように

思われて仕方のないことがある.

 

理由はいろいろとあるのだろう

 

 

単に体が疲れているからかもしれないし

気乗りしない予定があるのかもしれないし

 

或いは

現実の生活との落差に

落ち込んでいるのかもしれない.

 

 

今回は何だろう.

 

その答えは明確で

 

声に囲まれ

笑顔に囲まれ

 

賑やかな1日を過ごしたことによって

 

自分がこれから何を失って生きていくのか

実感してしまったからではないだろうか.

 

 

 

 

人は常に何かを失い始めている.

 

 

それを真理と思い

行動の糧として

これまで生きようとしてきたけれど

 

果たして自分が何を失い始めているのかを

見定められることなど殆どない.

 

 

どれだけ大切にしてきた思いも

どれだけ関わりを深くしてきた人たちも

 

いつの間にか

どこか自分の預かり知らぬところで

ただ

世界から失われていることに気がつく.

 

 

失ったことすら自覚しようのないものなのに

ましてや失い始めていることなど

どうしたって気がつけるだろうか.

 

 

 

だから今このようにして

自分が何を失い始めているのか

知ることができたこの瞬間は

 

喪失感に苛まれつつも

 

失う形を

自らの手で作り上げることができるような

そんな機会でもあるのだと信じたい.

 

 

いよいよ大学を卒業し

属してきたコミュニティから

離れていかなければならないとき

 

 

温かく真っ直ぐな言葉や表情

終わることのない笑い声

それから

自分を自分足らしめてくれる人たちとの繋がり

 

そうしたものを

確実に失い始めている.

 

 

それらは僕に

生きる力を与えてくれていたものだから

 

無くして道を歩んで行くことは

恐ろしくもあり

また不安でもある.

 

 

それらは自分がどれ程のものを得てきたのかを

教えてくれるものだから

尊くもあり

そしてどうしようもないほど

失い難いものでもある.

 

 

けれど

失い始めていることに気がつけた今だからこそ

何ができるのかを考えていよう.

 

わかっているのは

失うことは避けられないことだから

それ以上に

得ることを続けていかなければならないということ.

 

移動して

人と出会い

何かを得る

 

その繰り返しを

繰り返すことができるだけのエネルギーが必要だ.

 

 

別れではなく旅立ち

終わりではなく始まり

るろうに剣心の言葉.

 

 

失い始めていることに

気がつけたことは幸運だ.

 

だから

 

失い始めているものに気がつき

寂しさに出会う日々の中で

 

それでもこれを旅立ちとし

始まりへと向けていくことができるように

 

失っているものと向き合って

進む方向を見定めて

 

寂しさを

移動へのエネルギーと変えていくこと.

 

 

それだけが

できることなのだと思う.

 

 

 

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