願い

僕たちはみんな、それぞれの舞台の上に生きてる.

 

それが喜劇であるか、悲劇であるか、それは人それぞれだけれど

 

みんなが舞台の上に生きようとする.

 

時に、物語の主人公に自らを重ね合わせて

なんだか、

自分もスーパーパワーを発揮できるんじゃないか

と思ったりする.

 

 

表現の向こうの彼らはあまりに眩しくて

それでいて心に忍び込んでくるようで

うまく距離感が掴めない.

 

 

時たま、

その世界に僕らは存在し得ないことを知る

 

それでいて、

僕らはまだ自分に期待し続ける

 

救われないこの身に目を瞑りながら.

 

 

劇場国家と化したこの世界で

僕らは想像力を枯渇させつつあるのかもしれない.

 

 

ふと自らを物語で武装して

強くなれるかもしれないと信じたくなる.

 

 

変身は紙上の特権であり

僕らはまた、自分の弱さに出会う.

 

 

溢れんばかりに様々な

同じ色の物語に

今日もまた身を浸そうとしている.

 

 

想像することなしに.

 

 

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